2016年03月02日

腸内細菌叢とIBD 2.FoxP3(+)Tregとクロストリジウム

内科学アカデミーで気になったトピックスを備忘録としてまとめてます。
セミナーの内容だけではなく、その後自分で調べたことも併せて書いてます。
かな〜り希望的主観と悲観的楽観が混じってます・・・(*´σー`)エヘヘ
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免疫や炎症反応を制御する FoxP3(+)Treg への分化は 善玉クロストリジウム17菌種によって、誘導されていることが明らかになりました。

???

何のこっちゃ?(笑)

とりあえず、難しいので

ざっくり!と行きます(o_ _)ノ彡☆ポムポム


FoxP3(+)Treg

T細胞(Tcell)とはリンパ球の一種なのですが、とにかくいろんな働きをする細胞です。
T細胞は分化(成長)の過程で役割分担をされて、さまざまなタイプ(働き)に育っていきます。
その働きごとににそれぞれ名前がついてます(いっぱいありすぎ・・・)。

その中で免疫機能を制御する働きをするものを制御性T細胞(Treg)といいます。暴走しようとする免疫やアレルギー反応を抑えこむのがお仕事です。

このTregの中でも、FoxP3遺伝子を持っている(陽性 +)Tregが、免疫疾患とても深い繋がりがあるのだそうです。

なので、このFoxP3(+)Tregがきちんと働いてくれさえすれば「免疫疾患やアレルギー疾患を抑制することができる」ということのようです。

このあたりはホント難しいので・・・「もやもや〜っと・・・そうなのか」と理解しとけばいいかなと(笑)

とにかく、免疫やアレルギーの暴走を止める働きをするのがTregで、その中でもFoxP3(+)Tregという細胞が、とーっても重要ってことなのですね。



善玉クロストリジウム

クロストリジウム菌は細菌性腸炎を起こすこわーい細菌です。
が、そこいら中にある菌なので普通に誰のお腹の中にも住んでいます(わんずのお腹にも)。

腸内細菌叢が乱れたり、IBDなどの腸疾患をもっていたりすると、クロストリジウムによる細菌性腸炎を発症してしまう可能性があります。(腸内が健康な状態なら大丈夫)

もちろんわんず達も、体調が悪かったり、IBDだったりすると、クロストリジウム菌による細菌性腸炎を起こす可能性があります。

なのですが・・・クロストリジウムにも病原性の菌(悪玉)と非病原性の菌(善玉)があり、この非病原性に属する菌(善玉)がけっこうありがたい仕事をするってお話です。

善玉クロストリジウム菌の中で、

Clostridium hathewayi
Blautia producta
Lachnospiraceae 3_1_57FAA
Clostridium sp. 14774
Lachnospiraceae 3_1_57FAA
Clostridium ramosum
Eubacterium fissicatena
Clostridium indolis
Ruminococcus sp. ID8
Clostridium 7_3_54FAA
Clostridium scindens
Lachnospiraceae 7_1_58FAA
Clostridiales 1_7_47FAA
Clostridium bolteae
Clostridiaceae JC13
Anaerotruncus colihominis
Clostridium asparagiforme

以上、17の菌が、

FoxP3(+)Treg への分化に関わっているということがわかったそうなのです。


(T細胞の分化については PLE DOGS FORUM の小細胞性リンパ腫のページに簡単な解説があります・・・手前ミソですが・・・笑)


Tcellの分化はテキトーにおこっているのではなく、どんな細胞に分化するのかは、その場所の環境や状況に誘導されて決まります。

ここからが重要なところ・・・!

分化する際に、制御性T細胞(Treg)へと誘導するのが、短鎖脂肪酸 中でも酪酸の働きが重要とのこと。
そしてFoxP3(+)Tregへと誘導するのが、善玉クロストリジウムであるということが解明されたとのことです。

酪酸の誘導によって制御性T細胞へ、そして善玉クロストリジウムにの誘導によってFoxP3(+)Tregへと分化するのですね。。。


想像するに・・・たとえば、こんな感じ・・・( ´艸`)ムププ

まだ未分化のTcell達に向かって

酪酸:「Youたち、Treg(制御性T細胞)になっちゃいなよ〜」

的なお誘いをして、

善玉クロストリジウム:「Youたちは FoxP3(+)Treg としてデビュー決まったから」

と、どこかの事務所のようなことが行われているのではないでしょうか・・・(笑


*ゆる〜いですが・・・おそらくこんな感じでいいと思われます・・・ホントか?(笑
下に参考にした解説や論文のリンクはってますので、マジメに興味あるかたはそちらを参考にしてください・・・m(_ _)m




さて、ここからが本題・・・。


FoxP3(+)Tregが免疫疾患と深くかかわっていることがわかりました。
IBDのの腸内では(人もわんずも)このFoxP3(+)Tregがとても少ないとのこと。

FoxP3(+)Tregが少ないことによって、発症するのか、
発症したことによってFoxP3(+)Tregが少なくなっているのか・・・。
卵とニワトリ的にわからないのでしょうけど・・・。

とりあえず、現状わかっていることを踏まえると、FoxP3(+)Tregを増やして、じゃんじゃん働いてもらえば、免疫機能の暴走が防げるハズということになるのですね。。。



Tregは短鎖脂肪酸によって増やすことができる。
FoxP3(+)Treg を増やすには、善玉クロストリジウムが必要なわけです・・・・が・・・。
現状では善玉クロストリジウムのみを増やす方法はないのです。
前述しましたが、クロストリジウム菌はお腹の中にいるにはいるのです。ですが、善悪ごちゃっとまざったカオスな状況でお腹の中に存在しています。

で、IBDの腸内細菌叢は、けして良い状態ではないので、どう考えても善玉よりも悪玉が育ちやすい環境になってしまっているんでしょうね・・・おそらく。

それともう一点。
善玉クロストリジウム17菌種の中にも、完全に「善」ではない菌も存在します。。。
時と場合によっては、病原性を発揮してしまう諸刃の刃的な菌が数種まざってます。
なので、単純に善玉さえ増やせば・・・ということにもならないんだろうな・・・。

毒にも薬にもなっちゃう・・・クロストリジウム菌。

いろんな細菌たちがバランス良く存在していることが重要なんだろうね・・・。



現状では完治できない免疫疾患ですが、このFoxP3(+)Treg の解明が進めば、
完治できるようになるのかもしれない・・・。
FoxP3(+)Treg を確実に増やす方法がみつかれば、少なくとも症状の改善、悪化の防止ができるハズなんですね。


とりあえず、解明されることに期待はしますが、そんな呑気なことを言ってても仕方ないので・・・(笑


こういう事実が解ってきたということで、何ができるか、何をすべきか・・・。


腸内細菌叢を健康な腸と同じ状態に近づける。


結局はこれに尽きるんだろうな・・・。


健全な腸内細菌叢になればいい、といういたってシンプルな発想。


で、実際、人のIBD治療で治験が始まっているのが、


糞便移植です!


かなりセンセーショナルな感じはしますが・・・(^^




最強のプロバイオティクス・プレバイオティクスは、


「健全なうんち!!!!!!!」


なのかもしれない・・・というお話へ


つづく・・・( *´艸`)クスクス


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免疫を抑制する細胞を増やす腸内細菌を発見

腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ

FoxP3陽性T細胞、腸管の免疫グロブリンA、腸内フローラのあいだにみられる相互制御

腸内細菌の産生する酪酸による制御性T細胞の分化の誘導

制御性T細胞を誘導するヒトの腸内細菌の同定と培養に成功



posted by ackiy at 00:00| よもやまばなし